フードバンク 県北

フードバンク県北 實寿夫さん

フードバンク県北

25 年 4 月に開設されました。生活困窮者を支援するため、定期的に食材を配布する活動や、福祉施設への食材配布、特に小規模の福祉施設(薬物依存症更生施設など)に対して食品配布を行なっています。

食料品配布の日時は毎月第二土曜の午後、V ネット県北事務所にて行っており、配布するための食材は、個人や企業に呼びかけて寄付を募っています。

新型コロナウイルスの影響によりアルバイトができなくなってしまった学生や、経済的に困窮している家庭、高齢者世帯など、必要としている人は多岐に渡ります。また、県北の「こども食堂」とも連携しており、フードバンクで集まった食材は必要に応じて子供食堂などにも食材を提供しています。

情報の周知や寄付として受け取った食品の整理、配布のための準備や事務作業などは全てボランティアスタッフが行っており、80 代で毎回動いてくれるスタッフもいます。

 

断らない但さんたちの立ち上がり

当時、県北にはフードバンクがありませんでした。65 歳以上のボランティア活動男性 4 人、通称「断らない但さんたち」が話し合った結果、自分たちで行おうという話になり「県北フードバンク」が立ち上がりました。4 人それぞれ別の活動も抱えていましたが、社会に必要なことは自分たちでやろうという思いでした。

当時、まだ「貧困」という問題はあまり知られていませんでしたが、社会には間違いなく必要な、なくてはならない存在だと思い、宇都宮の NPO などとも話し合いながら進めていきました。食料配布は、生活の中で最も基本となる「食」を支える大切な活動です。食が安定しなくては、仕事や家庭の安定も難しくなってしまいます。どこかで余っている食材を、本当に必要としている人たちのもとに届ける活動が、地域のいろいろな場所で必要だと思います。フードバンクが始まってからは、実際に配布していく中で「貧困」の現実を目の当たりにし、やればやるほど社会に必要な活動として継続していきたいという思いが強くなっていきました。

必要とする人がいる限り

集めて配るだけではなく、集めた食材の管理や配布のための整理などにも多くの時間を要します。しかし、今回のコロナの影響により、派遣切りの人もたくさん増えました。また、飲食業界や宿泊業界の人たちなど、生活に困窮する人は非常に増えています。フードバンクの活動がなくなってしまえば、そういった人たちの食を支えることができなくなってしまいます。しかし、その分食材を集めるためのお金や運営費を集めるための取り組みも、もっと行っていきたいと思っています。

 

寄付募集中

手伝ってくれる人材や運営費・食品の寄付などはいつでも求めています支援者の裾野を広げて行きたいので、興味のある方
がいたら、ぜひ連絡ください。また、県北フードバンクでは「保冷庫」を探しています。夏の間、お米を適温で保存しておくための環境をつくるため、もし使わなくなった保冷庫などをお持ちの方がいましたら、お声掛けください。

 

県北地域コーディネーター 濱野さん
コロナ禍により、食料の確保が難しくなった人は、決して少なくないと思います。普段から、生活困窮者のサポートとして食材を配布している団体だからこそ、こうした有事の際にも対応できるのだと思いました。そういった意味でも、やはり日常的にサポートできる体制を作っておくことの大切さ、それを担っている団体の貴重さを改めて実感しました。