こども食堂 スマイルハウス
こども食堂 スマイルハウス 實寿夫さん
スマイルハウス こどもサロン
スマイルハウスさんは、経済的に困窮している家庭、特に子どもに対して、食事の面からサポートする「こども食堂」の活動を行なっています。
新型コロナウイルスの影響が出る前までは、こども食堂としてオープンし料理を一緒に食べる活動を行っていました。困窮世帯だけではなく、地域の方々も含めたくさんの人で賑わっていました。
また、経済的に困窮している家庭ではガソリンの調達も困難という家庭もあることから、そういった様々な事情に考慮し、配達も行っています。子どもたちに届ける料理は全て、地域のボランティアの方々の愛情を込めた手作りです。食材も、地元の方の寄付や、料理ボランティアの人たちで持ち寄るなどして活動を行なっています。
現在は新型コロナウイルス感染症対策のため、全て配達で行っています。感染症対策をしながらも、支援を続けなければ、貧困
に苦しむ家庭を支えることはできません。様々な工夫をしながら、活動を継続しています。
子供を貧しさから救いたい
ある日、下野新聞や TV で貧困の問題を扱っているのをみて「子どもの貧困」に意識を向けました。子どもが貧しい思いをしている、
ということがとても気になり、さらに調べ始めます。発起人自身も、子どもの頃に貧しい思いを経験していることから、その辛さはよ
くわかるため、なんとかしなければならない、という思いを持つようになりました。
そして調べていくうちに、徐々に自分の地域でもそういった状況にあるこどもたちがいることを知り「こども食堂」をやるべきじゃないかと思い始めました。周りの人に話していく中で、同じような思いを持った人が数名集まりましたが、なかなか条件の良い場所には出会えませんでした。しかし、諦めずに場所を探し続けた結果、平成 27 年夏頃、市内の商業施設で場所を借りれるという話になり、開設に向けて動き出しました。
その後、場所を移動したり、仲間のこども食堂と一緒に開催するなどして、活動を継続しています。活動を継続していく中では、大変
なことも多々ありますが、何よりも貧困の深刻さを目の当たりにしています。この活動をまだまだ続けなければいけない、と活動をす
る中でさらに想いを強くしています。
みんなで食卓を囲む時間を
今は感染症対策で、みんなで一緒に食卓を囲むことができていません。配達はできますが、家での食事は「孤食」の可能性があります。みんなで一緒にご飯を食べる、という時間はとても大切な時間です。
今後は、感染症が落ち着き、可能になったらそういった「みんなでご飯を食べる時間」を大切にしていこうとしています。みんなで食
べる中で、食事のマナーが身についたり、楽しみを感じることができます。また、学校にはない様々な世代とのつながりにも価値があ
ります。そのために、今後はこども食堂だけではなく、みんなで BBQ をしたり、キャンプをしたり、毎月一回程度季節ごとのイベン
トなどをしたいと思っています。また、他のグループとの交流も増やしていくことで、子どもたちにいろいろなつながりを提供してい
くことを目指しています。
近隣の方、食材などの寄付、募集しています
肉・魚・野菜などの食材の寄付があると助かります。とくに肉・魚は高いので、お肉をつけたいと思っても予算がなくできないことが
多いそうです。市内でそういった寄付が可能な方がおりましたら、是非とも応援お願いします。
団体概要はこちら
県北地域コーディネーター 濱野さん
子どもの貧困は、意識しないとなかなか日常では気づきにくい問題の一つだと思います。
その問題に対して、一から場所を作り、ボランティアさんたちの手で継続していることが、本当に素敵だと思いました。また、今後子どもたちが様々な経験やつながりを得る場所にもなる可能性を感じました。経済的貧困も、関係性の貧困も、家庭の問題ではなく「社会の問題」として捉え、こうして行動している人たちの存在がいかに貴重かを、インタビューのなかで改めて実感しました。