インタビュー

活動されている団体や応援してくださる企業、団体の方をご紹介します。

 

フードバンク 県北

フードバンク県北 實寿夫さん フードバンク県北 25 年 4 月に開設されました。生活困窮者を支援するため、定期的に食材を配布する活動や、福祉施設への食材配布、特に小規模の福祉施設(薬物依存症更生施設など)に対して食品配布を行なっています。 食料品配布の日時は毎月第二土曜の午後、V ネット県北事務所にて行っており、配布するための食材は、個人や企業に呼びかけて寄付を募っています。 新型コロナウイルスの影響によりアルバイトができなくなってしまった学生や、経済的に困窮している家庭、高齢者世帯など、必要としている人は多岐に渡ります。また、県北の「こども食堂」とも連携しており、フードバンクで集まった食材は必要に応じて子供食堂などにも食材を提供しています。 情報の周知や寄付として受け取った食品の整理、配布のための準備や事務作業などは全てボランティアスタッフが行っており、80 代で毎回動いてくれるスタッフもいます。   断らない但さんたちの立ち上がり 当時、県北にはフードバンクがありませんでした。65 歳以上のボランティア活動男性 4 人、通称「断らない但さんたち」が話し合った結果、自分たちで行おうという話になり「県北フードバンク」が立ち上がりました。4 人それぞれ別の活動も抱えていましたが、社会に必要なことは自分たちでやろうという思いでした。 当時、まだ「貧困」という問題はあまり知られていませんでしたが、社会には間違いなく必要な、なくてはならない存在だと思い、宇都宮の NPO などとも話し合いながら進めていきました。食料配布は、生活の中で最も基本となる「食」を支える大切な活動です。食が安定しなくては、仕事や家庭の安定も難しくなってしまいます。どこかで余っている食材を、本当に必要としている人たちのもとに届ける活動が、地域のいろいろな場所で必要だと思います。フードバンクが始まってからは、実際に配布していく中で「貧困」の現実を目の当たりにし、やればやるほど社会に必要な活動として継続していきたいという思いが強くなっていきました。 必要とする人がいる限り 集めて配るだけではなく、集めた食材の管理や配布のための整理などにも多くの時間を要します。しかし、今回のコロナの影響により、派遣切りの人もたくさん増えました。また、飲食業界や宿泊業界の人たちなど、生活に困窮する人は非常に増えています。フードバンクの活動がなくなってしまえば、そういった人たちの食を支えることができなくなってしまいます。しかし、その分食材を集めるためのお金や運営費を集めるための取り組みも、もっと行っていきたいと思っています。   寄付募集中 手伝ってくれる人材や運営費・食品の寄付などはいつでも求めています支援者の裾野を広げて行きたいので、興味のある方 がいたら、ぜひ連絡ください。また、県北フードバンクでは「保冷庫」を探しています。夏の間、お米を適温で保存しておくための環境をつくるため、もし使わなくなった保冷庫などをお持ちの方がいましたら、お声掛けください。   県北地域コーディネーター 濱野さん コロナ禍により、食料の確保が難しくなった人は、決して少なくないと思います。普段から、生活困窮者のサポートとして食材を配布している団体だからこそ、こうした有事の際にも対応できるのだと思いました。そういった意味でも、やはり日常的にサポートできる体制を作っておくことの大切さ、それを担っている団体の貴重さを改めて実感しました。

 

NPO法人 いちかいネット 子育て羽ばたき

N P O法人 いちかいネット子育て羽ばたき 副理事長 永島朋子さん 活動への思い いちかいネット子育て羽ばたきは、子どもたちがここでたくさん遊んで、みんなに育ててもらったな~という思いを持って、次の大きなところへ羽ばたけるようにとの思いで活動しています。子どもたちがここを「ふるさと」って呼んでくれるような、親御さんたちがこの町で子育てしてよかったなと思えるような、地域の人たちがこの場所に住んでいてよかったと思えるような、そんな地域になればいいなと思っています。 いい子どもに育てようと思ったら、いろんな大人の人に関わってもらわなくちゃいけないし、いい大人と関わってもらうには地域もよくしなくちゃいけない。そして、地域をよくしたら、みんなが住みやすい。助け合いの子育てをしながら、助けたり助けられたり、総合援助しながら、そんなふうにしていくと、いい地域ができるということがわかったんです。それが今の活動の大きな趣旨になっています。   主な活動について 主な事業として、放課後児童クラブを事業として行っています。働いている保護者の人の支援ということです。その他、ファミリーサポートセンターの事務局も受託しています。これも助け合いの子育てですが、子どもを預かって欲しい人、預かりたい人をマッチングさせて、手が足りないところを補ってもらうというような形で、提供会員さんの要請をしたり、利用会員さんの募集をしたりということを行っています。 自主事業としては、春夏秋冬と自然体験活動をしています。この活動はもともと、地元をただ素通りするだけじゃなくて、地元で遊ぶ活動があるといいなということで始めて、ずっと続けています。例えば、実際に川に入ればそこにいる生き物のことがわかります。そうすれば、これを守っていかなければいけないということもわかるようになります。活動の内容としては、田植えや稲刈りをしたり、地元で蛍を守り残している人にお話を聞いて観察したりなどなど。もちろん地元の人にもたくさん遊んで欲しいですが、地域外の人にも「市貝町ってこんないいとこなんですよ!」ということをアピールできたらという思いもあって、毎年都心から市貝町に、東京の足立区の子たちが遊びにきてくれるという活動もしています。 コロナで地域食堂は休止。だけど、つながることを諦めない、学習支援スタート つながることを諦めない、学習支援という事業が、去年の 8 月からスタートしました。コロナで、定期開催してきた地域食堂ができなってしまいました。それで寂しい思いをしている子がたくさんいたことや、休校になって、不安に思っていた子が少なからずいたということもあり、コロナでもできることはあるよね!ということで、やれることからちょっとずつ始めました。学童始まった時も、学校でもない、家庭でもない、第三の地域の居場所作ろうとスタートしました。 実際に学習支援の現場では、子どもたちは準備や片付け、距離を取りながらやることにも、すごく協力してくれています。少し喋ってしまう子も、「この時間は勉強を頑張ろう!」というと、頑張って勉強しています。 そのご褒美ではないですが、各自自分の席でおやつを食べる「もぐもぐタイム」というおやつ休憩の時間も設けています。お家にいるお母さんがちょっと手間をかけておやつを作るように、おにぎりとかホットケーキ焼いたりとか、パフェ作ったりとか、支援さんが工夫して、食育も兼ねてやっています。今は子どもたちに何のおやつがいいかって聞くと、「お菓子!」とかって言うんです。支援さんも一生懸命作ってるのにそんなこと言われたら、心折れますよね。(笑)でもそれはきっと、大きくなったときにわかるんですよーっていうような話をしています。 大きくなって、親元離れたり高校卒業したりして、自分で衣食住をやらなくちゃいけなくなったときにきっと、ああこういうの食べたことあるなとか、ああゆうの食べたいなとかって思い出すものだと思います。だから、今手をかけてもらったことはきっと大きくなったときに、ちゃんと心に留まっているし、その子に肉づいていると思いますよって。   これから やっぱり大事にしたいことは、地域の方の関わりです。昔、「巻き込む」っていう言葉が流行ったように、みんなで一緒に楽しくできたらいいなっていうのはいつも思っています。そのためにはどうしたらいいかを、行政でもなく地域でもない、間の立場で考えるのが私たちの役割だと考えています。 行政ともうまくできたり、地域の人たちの話も聞いたり、行政の手の届かないところを、私たちが自主的に始められるようにしたりなど、常にアンテナを張って地域の困りごとや課題をタイムリーに吸い上げられるような位置でありたいです。楽しさと大変さは裏腹かもしれないですけど、協力とか共同とかを一緒にできる、そんな地域になれたらと願っています。 団体概要はこちら 県東地域コーディネーター 萩原さん 子どもたちが地域のみんなに支えられて育っていけるように、そして地域の人もみんながこの町に住んでいてよかったって思えるように、そのためにできることはどんどんやっていく!というパワーがよく伝わりました。羽ばたきさんのこのパワーは、きっとすでに地域に広がっているのだろうと思い、とても素敵な活動をされているのだと感じました。

 

自立援助ホーム「マルコの家」

自立援助ホーム マルコの家 施設長 野原知子さん 青少年が社会で生きていくための準備をする自立援助ホーム 自立援助ホーム「マルコの家」は何らかの理由で家庭に居場所がなく、義務教育を修了した 15 歳以上 20 歳までの青少年が暮らしています。定員は男女合わせて 8 名。スタッフと共に集団生活をしながら社会的に自立した生活を送る準備をしています。 「マルコの家」では青少年たちが” あたり前の生活” を送れるようにスタッフが掃除、ご飯の準備、青少年たちの相談に乗るなど安心・安全な生活環境を整えています。幼い頃から過酷な生活を送ってきた青少年たちは他人との信頼関係を築くことが出来ず、誰にも頼ることができませんでした。集団生活を通して話し合う、相談する、協力し合う、そして自分を大切に思うという”あたり前” を経験していきます。   さらに、青少年たちは自分で選び自分で決めるという経験を積み重ねていきます。この経験は入居を決めることから始まります。児童相談所の保護を受けて「マルコの家」に来所した入居対象者は「マルコの家」のスタッフからホームでの生活の説明を受けます。そこで本人の「ここで生活しよう」という意思が伴い、契約を結びます。入居してからも仕事や給料の使い方など、生活のありとあらゆることを自分で選択し行動します。もちろん自分で決めたことで失敗することもあります。失敗してもやり直すことができる、失敗から学ぶことができるという” 失敗した時の保障” があることを知り、自立のための経験を積み重ねます。 また、青少年たちが退所した後も「マルコの家」との関係は切れることはなく続いていきます。「マルコの家」は青少年たちにとっ て帰ることのできる場所になります。何か困ったことや相談したいことがあればいつ来てもいいのです。ある日、退所した青少年が「マルコの家があるから今の私は大丈夫だと思える」と言ってくれました。「マルコの家」は退所後も「安心できる場所」となっています。 「マルコの家」では自立援助ホームやそこを必要としている青少年が存在することを知ってもらうことを目的に啓蒙活動に力を入れています。薬物関係やフードバンクなどの講師を呼んだ勉強会や、青少年を取り巻く社会課題をテーマにした映画会を企画して実施してきました。また、人が多く出入りするバザーや地域の祭りへのブース出店、寄付活動を通した街頭呼びかけ運動もしています。 「知った責任」 「マルコの家」は前ホーム長の小田さんの想いのもと、2010 年に栃木市で開所されました。当時、自立援助ホームは栃木県内では宇都宮に 1 か所しか存在していませんでした。元々里親活動をしていた小田さんは「栃木県内だけでもまだまだ行き場のない青少年たちがいる」と感じていて、「そんな若者たちの支援をしたい」という気持ちを抱いていました。当時小田さんは単独で動いていました。共に活動する仲間を探す中、「自立援助ホームを立ち上げたい」と社会福祉法人「イースターヴィレッジ」に相談したところ、当法人を母体として始めようと話が進むことになります。 そして、現ホーム長である野原さんに立ち上げスタッフとして声がかかることになります。野原さんはそれまで自立援助ホームのことを知りませんでしたが、話を聞いたときに「知ってしまった責任」を感じました。「自立援助を必要とする青少年たちがいることを知っているのに何もしないわけにはいかない。私に出来ることがあればやってみよう」と想い、「マルコの家」のスタッフとして携わることになりました。働きながら一人の人間として青少年たちと真伨に向き合い、彼らと共に道を歩んできました。開所から 7 年経った時にホーム長の立場を受け継ぎ、今もホーム長として「マルコの家」を引っ張っています。 これから 「マルコの家」が出来てから 10 年経ちますが、社会が変化するにつれ、自立援助ホームも利用者も変わってきています。以前は非行によって保護される青少年が多かったのですが、最近は精神的な障害や知的障害を持つ利用者が増えてきています。このような人たちは仕事を探すことが中々難しく、就職することも困難となっています。そこで、社会と繋がれる場所として「マルコの家」が就労支援を行えたらいいなと思っています。 例えば「マルコの家」がこども食堂などを企画して手伝いに来てもらうということでもいいと思っています。「マルコの家」としては「どんな青少年たちも社会と何かしら繋がっていてほしい」という想いがあるので、そういう居場所を作っていきたいと考えています。 団体概要はこちら 県南地域コーディネーター 宮岸さん 想像以上に過酷な養育環境を過ごしてきた利用者が多いようです。野原さんは自分にも青少年たちにも正直に向き合っているように感じました。そのような人が働く施設だから利用者の自立に繋がるような気がします。本当に必要な施設だと思いました。

 

フードバンク 足利

フードバンク足利 事務局 吉田永理子さん 食料配布の先につながる支援を目指して フードバンク足利は、その名の通りフードバンクを身近に利用していただきたい、という想いから設立しました。 家庭や企業などから食料品をいただき、市内を中心に必要な方に無償で提供しています。活動場所には、皆さんから寄付いただいた食料品や日用品が常にストックされています。必要な方に必要なだけお分けすることができるよう、ボランティアスタッフが対応しています。 「お米が足りなくって・・・」と月に 1,2 回ご連絡を頂く方がいます。もちろんすぐに、持っていきます。私たちにご連絡いただくまでにもきっと躊躇されたに違いませんが、ご連絡いただいたことでつながることが出来ました。食料品の受け渡しだけでなく、この活動を通してその人個人と繋がり、お困りのことやおうちのことなどのお話しをお聞きしています。食料品などのお渡しを介して、少しでも困りごとを共有できる私たちを目指しています。   困っている人がいるならなんとかしなきゃ!がスタート地点 こども食堂を別にオープンしていたことがきっかけです。食堂に通う子どもたちの家庭状況を知り、家庭ごとの支援が必要だと感じるようになりました。フードバンクを立ち上げねば!という熱い想いがメンバーに生まれ、勢いで気楽に立ち上げてしまいました(笑)実際にはじめてみると、こんなに大変とは!!と思うこともありますが、支援依頼のご連絡を頂くにつけ、ニーズがあることを肌で感じています。 また、この活動を通じて、「他の人のために何かしたい。」と思ってくださっている方もたくさんいることが分かりました。きっかけがあれば支援したい!と思ってくださっている人とのつなぎ役として、これからも活動していきたいと思っています。   地域で支えあう、お互い様とありがとうの気持ちを大切にしたい 私たちはあくまで支援をしてくれる方と、困っている人の間に入り、代わって気持ちを伝えあう、そんな役割だと思っています。昔の日本のご近所関係は、お互いの困りごとをも含め補い合う、そんな感じでしたよね?雑談から始まっておかずのやりとり、ちょっとした困りごとを近所の誰かが解決してくれたり・・・。 各家庭の生活ではなく、地域で生活していくという、<お互いさま>の気持ち。 今もそんな気持ちをそれぞれ持っていることは変わらないと思うのです。ただ、その気持ちの表現の仕方が分からない方がたくさんいます。だから、そんな応援者を集めて繋いでいく…。そんな気持ちを大事にして活動していきたいと思っています。 また、この活動をはじめて、必要なところに情報が届いてほしい!と強く思っています。今後の課題は、必要な方に、どう情報を届けるか?というところです。 そのためには、一人でも多くの方に関わっていただくことが大切だと思っています。   ちょうど 1 本の電話が・・・ インタビュー中に電話が鳴りました。食べるものがあまりないという事でお電話されてきたようでした。 何度も「大丈夫よ!大丈夫よ!」と伝えながら、おうちの人の様子まで気遣う言葉が次々と出てきていました。 「無理しないでね。」「だいじょうぶよ」「私たちは寄付で集まっているものを届けているだけよ」「時間があるのでもっていっているだけなのよ…」相手に気を遣わせない言葉のやりとりが、何度も何度も続いていました。寄付してくれた方がどんな気持ちで持ってきてくれたのか? そんなことまで会話の中にありました。どこまでも相手を気遣う気持ちのやりとり・・・。食品を渡すことを通じてそんな励ましの言葉を、いつもお伝えされているんだなぁと思いました。電話口の方の心も軽くする、そんなぬくもりのある場面に遭遇できました。 団体概要はこちら 安足地域コーディネーター 熊倉さん 団体設立からわずか半年とは思えないくらいの、活動の展開の速さにびっくりしました。なんとかしなきゃ!という想いで立ち上げたこと、やっていて楽しい!という言葉に、ボランティアをする一人としてハッとさせられました。 お話を聞いていると、うらやましいほど多くの協力者の姿がありました。活動場所の改築工事は大工のお友達が、お米の寄付は農家さんが・・・。といった感じで、いろんな方が関わり運営されているようです。「熱意といきおいで 3 人で始めたフードバンク足利」とおっしゃっていましたが、すでに素敵な輪がつながっていました。

 

こども夢クラブ こども食堂

こども夢クラブ こども食堂 鈴木博さん こども食堂 こども夢クラブという組織の活動の一環としてこども食堂を行なっています。 こども夢クラブとは、「学校や家庭以外にも子供が集まる場所をまち中に作り、地域の子供が学習したり、遊んだり、食べたりしながら地域の大人と交流し、地域社会の中で子供が手助けすることを目指して活動する任意団体」です。 こども食堂は、毎週日曜日 10 時から 15 時の間でお子さんを預かり、午前中学習支援をして、一緒にお昼を食べ、午後は一緒に遊びます。主な目的は学校や家庭以外にも子供が成長する場を地域内に作ることです。そういった場で子供の潜在的な力を引き出し、子供の持つ可能性を高めていきたいと思っています。そして、その力を発揮できる機会を提供していきます。 学習支援では、支援員(大人のメンバー)が分からないところなどを教えたり、自分で教科書で調べられるようにアドバイスをします。学習が終わった後には手芸や工作活動などの楽しい時間も作るなどの工夫をしています。その後、お昼ご飯として主にカレーライスを作って食べます。 新型コロナウイルスの影響の前は、一緒にご飯を作って片つけることを大切にしていました。一緒に作り、一緒に片つけることで子供たちも喜びますし、学びになります。現在は、新型コロナウイルス感染対策として一緒に作ることは行っていませんが、早くまた前のようにできることを願っています。 午後は、天気が良ければ近くのグラウンドで遊びます。外で遊ぶ時間も大切だと思っているからです。縄跳びやサッカー、野球など大人も一緒になって遊びます。「こども食堂」というネーミングを使ってはいますが、経済的困窮で括ってはいません。子供たちの多くは、昔と比べ「関係性の貧困」の状態にあると思います。地域住民と社会福祉協議会で協力して、みんなでご飯を食べたり遊んだりする時間を大切にしています。 地域への恩返し 「にしなすのケアネット」という話し合いの中で、「こども食堂ができないか」という話がありました。子供の成長過程の支援にはとても興味があったので、応援したいと思っていました。一年以上の時間をかけ、建物を探したり、学校にチラシを配ってもらえるように交渉したりしながら進めていきました。 自分も父親が早く亡くなってしまったので、地域の人たちに育てられたようなものでした。地域の人たちが常にお節介を焼いてくれて、いろいろ気にかけてくれて、そのおかげで自分が育ったという経験があるので、自分も地域に恩返しをしたいという思いがありました。自分がしてもらったように、子供たちを支えてあげたいと思っていたのです。 そうして子供食堂の話が出た時に、那須塩原市社会福祉協議会も全面的に協力して、場所や進め方など一緒に作っていきました。社会福祉協議会がサポートしてくれたのはとても助かりました。   支援地域の拡大 いまは 10 時 -15 時の時間帯のみです。もう少し時間を伸ばして欲しいと言う希望もあるので、時間を伸ばせるといいと思っています。また、やはり以前のように一緒に作ったり一緒に片つけたりする時間を大切にしていきたいと思っています。加えて、活動地域を広げ、大人メンバー・子供メンバー両方の人数をもう少し増やしていきたいと思っています。 寄付・参加者募集中 食材の寄付など助かります。定期的な寄付だと特に助かります。 お子さんだけの参加ももちろん可能ですし、ご両親と一緒の参加も可能です。また、子育てに対する悩みの相談も受け付けています。 団体概要はこちら   県北地域コーディネーター 濱野さん 地域ごとに、こうした活動があることは子供にとってはもちろん、ご両親にとってもとても助かると思います。 「地域で育てていく」という言葉にとても共感しました。家や学校だけではない居場所は、現代の子供達にこそ必要だと思うので、これからも応援していきたいです。

 

NPO法人野うさぎくらぶ

NPO法人 野うさぎくらぶ  理事長 矢口和美さん、事務員 小川さん 地域の子は地域みんなで育てていこう NPO 法人野うさぎくらぶは、平成 16 年から始まりました。その当時の考えは、「自分のこどもだけを自分がみるのではなく、他の子どもたちも、みんなで一緒にみていこう」というものでした。それがだんだんと地域に広がっていき、今では「地域の子は地域のみんなで育てていこう」という大きな広がりとなりました。地域の方々にも理解して、応援していただいており、こちらの事務所も大家さんのご厚意でかなり安価で貸していただいております。 主に大きい活動としては、学童保育の運営を行っています。那須烏山市全域の小学校が5カ所あり、その中の9学童を運営させていただいています。こちらは委託事業として行っています。今現在、子どもの登録数は 300 人くらいになります。 コロナになる前は、学童クラブでは春休みや夏休みなどの期間に、地域の方々に学童に入ってきていただいて、得意なマジックを披露していただいたり、語りべさんに地域の昔話を話していただいたりなど、多様なボランティアさんとの交流が盛んでしたが、このような状況になってからは、外部の方に学童に入っていただくとういう活動が難しくなってきています。現在は、学童内だけで完結できて、なおかつ楽しみがあるような活動を探しているところです。 地域の子は地域みんなで育てていこう 2020 年 4 月より、NPO 法人野うさぎくらぶの新事業として、「心から~☆☆☆ひとり親のつながる心☆☆☆」をスタートさせました。ひとり親家庭の方々を応援したいという思いは以前からありましたが、デリケートな部分でしたので、考えていてもなかなか表現が難しいところがありました。 そんなとき、うちのスタッフの小川さんが「是非、そういう事業をやってみたい」と申し出てくれました。小川さん自身もひとり親ということもあり、ひとり親家庭の方々の困りごとや心情、内面的にデリケートなことのサポートもしてくれたことで、新事業としてスタートすることができました。 本当は活動について、大きく広く皆さんにお伝えしたいところですが、ひとり親家庭のご本人さまたちの中には、自分がひとり親であることを知られたくないという方もいらっしゃるので、そことの間で少し難しいところもあります。現在は「那須烏山市母子寡婦福祉会」という団体さんと一緒に、タイアップしてやっていこうということで、本格的に活動が動き出してきたころです。 活動としては、コロナ禍でストレスが溜まっている親御さんとメールでのやりとりをしようというところから始まりました。うまくいかないこともありましたが、アンケート調査を実施したり、それに回答したりなどのやりとりができるようになりました。じゃあ次は何しようか、といろいろと頭を悩ませ考えていくうちに、「おゆずり会」というイベントの実施につながりました。 次に、アンケート調査でも見えてきた、ひとり親の方の中には、生活していくことだけで精一杯で、子どもの学習面にまで手が届かない方も多くいるということです。そこで、最近では那須烏山市の小学校にも、タブレット学習が取り入れられることを受け、「心から~」でもタブレット教材等のネットを通じて学習できる学習支援ができないかと考え、先日タブレットを購入させていただいたところです。塾の先生のお知り合いがいまして、そういった方のアドバイスなどいただきながら進めています。ゆくゆくは、「心から~」だけではなくて、学童の方でも応用できたらなと考えています。 これから 小川さん まだ「心から~」の事業を始めて間もないですが、何度かひとり親の方との接点づくりに挑んだ中で、なかなか密に関係を保ことができないという難しさがあることを感じました。ただやっぱり、自分自信もひとり親で、自分もひとり親家庭で育ってきて、周りにはわからないこともたくさん自分は経験してきていると思うので、そこを生かしてもう少しひとり親の方が前向きに考えられるようなステップを踏めればいいなと思っています。 矢口さん コロナが日常の中に浸透して、自由に行来ができるようになれば、おゆずり会や食事会などのイベント会場にきてくださった方々が、なるべく長く滞在できるようにしたいです。そしてそこで、まずはお一人でもいいので交流できるように図ること、それが目標ですね。結構ひとり親の方は、ひとり親のお友達がいたりするので、またそこから繋がりが広がるのではないかと考えています。だからまずは一人と繋がること、これがこれからの目標です。 団体概要はこちら 県東地域コーディネーター 萩原さん ひとり親家庭の方々の抱えることはきっと様々あるのだと思いますが、家庭以外に安心できる居場所があることは、とても大事なことだと思いました。ひとり親家庭の方々に限らず、子育て中の親御さんも子どもたちも「地域のみんなで」支え合うことができたら、とっても素敵だと思いました。

 

菊沢こども食堂 森のこびと

菊沢こども食堂森のこびと 代表 加藤美智子さん 2017 年 10 月 16 日鹿沼で一番先に誕生した子ども食堂 毎週月曜日開設しています。現在はコロナ影響でお弁当のテイクアウト形式で毎回、70 食程度を提供しています。 お弁当は一個 300 円ですが、栄養のバランス考えて、米食にこだわっています。また、和食ならではの煮物や、うまみを引き出す調理を目指し、子どもから大人まで残さずに食べきる献立としています。厨房は 4 ~ 6 名が担当し、午前中から仕込みをします。お米は農家のみなさまから提供があり、本当に助かっています。共通無料券を利用する利用者さんも増えて、大変喜ばれています。 昨年は、コロナウイルス蔓延時に、お弁当の配食支援を数か月行いました。鹿沼市社協やこども総合サポセンとの連携で実現しました。今後も、定期的な訪問は必要で、丁寧な対応が望まれるかと思います。   日本の子どもの貧困率を聴いて耳を疑った こんなに物があふれ、便利な世の中にも関わらず、子ども達の環境が脅かされている現実を知って、愕然としました。それならば、空いている事務所を利活用し、お弁当(予約制)提供がきればと考えました。また、ネットワークをつくり、食品ロスをなくしたいと考えました。 子ども達の環境には、多くのおとなと合わせる場が大切だとおもいました。そこで、できるだげ孤食を避けるために子どと大人と一緒に食卓を囲む居場所をつくりました。すると、おとなもこどもも非常にいい笑顔になり、本当にこころからすばらしい環境となりました。また、共通無料券を創ったことで、利用者はどこの子ども食堂でも利用できるようになりました。 学校と地域とネットワークしてはじめて、本当の子ども支援ができます 朝ごはんを食べてこないこども。若者。食事が孤食なこども若者・・ そんなこどもたち若者たちの安心安全な居場所として子ども食堂はあります。これからもそのような場を大切に育みたいと考えます。地元スーパーや企業のみなさまと連携し、また、社会福祉協議会や行政とも連携し、民間だからできることを丁寧にしてゆきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。   団体概要はこちら   県西地域コーディネーター 大出さん 立ち上げの苦労は、次のこども食堂誕生に活かせると森のびとのスタッフはみんな元気な肝っ玉母さん軍団です。 毎週月曜日 の厨房は笑いが絶えないそうです。そんなみなさまが作るお弁当は、間違いなくおいしいに決まっています。毎回 70 食を提供しているそうで、安定型子ども食堂のお手本です。  

 

フードバンク しもつけ

フードバンクしもつけ 代表 小堀裕子さん、スタッフ 小倉泉さん、杉山礼子さん 食品の寄付を募り提供する「フードバンクしもつけ」 「フードバンクしもつけ」は、まだ食べられる食品を事業者や個人から寄付していただき、下野市の福祉施設や団体、食べ物に困っている方などに無償で提供する任意団体です。「フードバンクしもつけ」は下野市社会福祉協議会のボランティア団体として登録して活動しています。 寄付食品は広く募っていてどなたでも寄付することができ、自治医大前キリスト教会1階ラウンジで受け取っています。これまで多くの方が寄付食品を持ってきてくれました。NTT東日本(小山市)や宇都宮ヨークベニマルなどの事業者が大規模提供をしてくれたこともあります。 寄付食品は常温で保存ができ、1か月以上賞味期限が残っているものを受け付けています。また、開封されていないか一つ一つ確認します。履歴管理の観点から食品がどこから寄付され、どこに提供しているかわかるように記録を残しています。 いただいた食品は基本的に団体に提供しています。これまでに社会福祉協議会や子供たちの支援を行っている「こども食堂」や「こども塾」、福祉施設、グループホームなどに提供してきました。団体によって希望する食品は異なり、事前に団体と話し合って提供する食品を決めています。 例えば、社会福祉協議会では、調理の必要がないレトルト食品・カップ麺・缶詰など、若者が多い施設は、お米・調味料・お菓子などが喜ばれます。個人の方が食品を希望され、連絡していただくことがありますが、その場合は社会福祉協議会につないでいます。 今年度は基盤作りの年としてネットワークを広げながら活動してきました。「フードバンクチャリティーコンサート」を企画したり、地域イベントに参加したりして、活動をより知ってもらうため広報に力を入れる予定でしたが、コロナ禍で全て中止となってしまいました。大変な時期で予定通りに動けませんでしたが、幸いなことに新聞や地域情報誌などに取り上げていただき広く知ってもらえましたので、想定をはるかに超える食品の提供をいただきました。 また、県保健福祉課や「フードバンクうつのみや」とつながることでフードバンク運営のノウハウなど教えていただきました。さらに、フードバンクの活動を通して多くの方や団体とつながることが出来ました。ネットワークを通して活動が広がったことが本当にありがたいと思っています。   「もったいない」を「ありがとう」に 代表の小堀さんは、2014 年に兄夫婦が那須烏山市で「フードバンク那須烏山」の活動を始めたことでフードバンクを知りました。小堀さんは、フードバンクの必要性について話を聞いて、「小さい力だけれど自分もできないだろうか」と思うようになりました。 下野市にフードバンクがなかったこともあり、「地域に暮らす市民として社会貢献活動をしたい」と下野市でのフードバンク設立の想いが膨らんでいきました。小堀さんは自治医大前キリスト教会の一員でもあります。互いに助け合うというキリスト教精神がありますが、教会でもこの地域で何か社会貢献活動ができないかという模索がありました。 日本では、「まだ食べられる食べ物が捨てられてしまう」というフードロスという現状があります。フードロスをできるだけなくして食品として活用できるよう取り組んでいくこともフードバンクの大きな使命です。まさに「もったいない」を「ありがとう」に変えていくことです。 教会でも、この「もったいない」を「ありがとう」に変えていくフードバンクの活動をバックアップするということで、教会員の中からスタッフを募集し、数名のスタッフで始めることができました。スタッフではない教会員の方も様々な支援をしてくれています。 2020 年 4 月 1 日に正式に立ち上げる予定でしたが、コロナ禍の中で見合わせていました。しかし、「今だからこそやるべきことだ」とスタッフで話し合い、6 月 1 日に「フードバンクしもつけ」を設立し、現在に至ります。   いま、広げよう心の輪 おかげさまで食品寄付もだんだん増えてきて、「食品をいただく~提供するシステム」ができ上がってきています。食品寄付の季節的な波があることも分かってきました。季節に関わらず様々な寄付食品を集め、いつでも安定して供給ができるようにする仕組みを作っていきたいと思っています。本当に困窮している人にいかにして届けるか、これはいつまでも続く課題だと思います。 立ち上げて本当によかったと思います。活動しているスタッフが、皆様から元気をいただけたことも嬉しいことです。これからも「心の輪」が広がっていきますように。地域の方々にさらにフードバンクの活動を理解していただき、沢山の食品をいただいて沢山のところに届けていきたいと願っています。 団体概要はこちら   県南地域コーディネーター 宮岸さん 小堀さんとその周りのメンバー全員の見ている方向が一致していてとても良いチームだと思いました。想いが仲間やネットワークに繋がり食品を通して伝わっていく流れに「フードバンクしもつけ」の熱さと未来への希望を感じました。

 

子どものとなり 佐野

子どものとなり 佐野 理事長 早川茂さん 子どもたちの未来のために私たちができること・・・ 子どもたちを取り巻く環境の中で、特に貧困や虐待などによって、安心して生活ができないという子を一人でも少なくできればと思って活動しています。活動としては、 ①食事の支援である子ども食堂 ②子どもの居場所づくり ③学習支援 ④子育て支援 の4つを柱としています。 活動場は、犬伏新町にある一軒家をお借りし、それぞれ週 1 回実施しています。 ①子ども食堂は、子どもはもちろん、親子での参加も大歓迎です。 ②では、遊び、食事、入浴をしています。おばあちゃんちに居るように、ゆったり過ごしてもらうことを目指しています。 ③の学習支援では、ボランティアと子どもがともに畳に座り、1 対 1 で勉強をしています。 ④まずはおうちの方の悩みをお聞きすることから。解決に近づけるように一緒に考え・行動することから始めています。 2020 年度は、食材配布会を長期休み前に実施しました。市内の子育て家庭に広く配布するもので、延べ約 90 世帯の家にお配りできました。配布物はすべて、地域の皆さんからの寄付品によるものです。必要な方には個別にご相談いただき、適宜食材をお分けしています。   子どもたちのこころ安らぐ場としてありたい 子どもの貧困問題・児童虐待問題が日々報道されるようになり、幼い子供が虐待によって亡くなるという痛ましい事件が後を絶たず、決して他人ごとではないと感じるようになりました。 見えにくい子どもの貧困は、なかなか表立って出てくることはありません。子どもたちが安全安心に過ごせる環境の一つとしてありたいと願いこの団体を 2 年前に立ち上げましたが、日を追うごとにそのニーズが確かにあることを感じています。 はじめは他人行儀でおりこうさんにしていた子どもが、通うにつれて少しずつわがままを言うようになって、子どもらしくなってきました。お菓子のありかを知ってねだってみたり、つまみ食いをしてみたり、ボランティアさんとまるで孫とおばあちゃんのようなあたたかでほがらかなやりとりをしている子どもたちをみていると、ほっとします。そんな日常のあたりまえの時間を取り戻し、安心して過ごしてもらうことを願って活動しています。   地域とともに・・・地域で一緒に活動を作っていく 専従職員を置いておらず、それぞれの本業と並行して活動しています。そのため、もっともっとこの活動を充実させたい! と思いながらも、まだまだ。やりたいこと・やるべきことがたくさんやまもりです。とはいえ、歩みを止めずに少しずつ、今できることをやっていける団体を目指しています。支援する側される側ではなく、共に支えあえる私たちであることを、実践の中から発信していければと思っています。 設立当初から関わってくださっているボランティアさんのほかに、最近は高校生、大学生の参加も多くなってきました。社会課題に問題意識を持つ学生の視点は大変貴重であり、地域における財産だと思っています。地域ぐるみで社会問題を解決する、「誰一人取り残さない」社会を、まずは身近な私たちの手で実践していきたいです。そのためにも、もっと多くの方に団体を知っていただくとともに、協力・参画いただける方を増やしていきたいです。 子どももボランティアも共に成長できる場に! 子どもたちが最優先でありながらも、ここに集うすべての人の居場所であることも目指しています。ここに集う子どもたちと関わることによって、ボランティア側もあらたな出会いと気づきを得てくれています。子どもと親の年齢差のボランティア同士が、楽しそうに料理を作っています。そこに、子どもたちも加わり、笑いの中で和やかな時間が流れます。 子どもたちは、お兄さん、お姉さん、おばあちゃんと暮らすように、この < 子どものとなり佐野 > という家で、育っていきます。 年上には年上なりのできること、子どもには子どもなりにできること、その自分なりにできることをここでやっていくということは、誰にとっても大切なことです。一緒に居ることで生まれる温もりのある時間と空間、安らぎをここで感じてもらい、次の人にそのぬくもりを伝えていく…そんな良い連鎖がここから生まれてほしいと願っています。   団体概要はこちら 安足地域コーディネーター 熊倉さん 自分の団体ですが、こうしてあらためてみると、設立 2 年目が経ち、少しずつボランティアの輪も広がり、活動の方向性も見えてきたところです。このような活動の団体は、継続することが大変難しく、そのための資金・人の力をいかに集めていくかがポイントだとアドバイスいただいたことを、肌で感じるこの頃。 日々課題は山積みですが、そこに集うボランティアさんとともに、一つずつみんなで乗り越えはじめています。一人ではできないことも、皆さんの力で実施できてしまうこともしばしば。人の力ってすごいなと、改めて感じています。この人の輪を大事にしながら、今後も活動していきたいです。

 

トチギ環境未来基地 こどもの里山プロジェクト

NPO法人 トチギ環境未来基地 代表理事 塚本 竜也さん こどもの里山プロジェクト トチギ環境未来基地はもともと、ボランティアの皆さんと共に、栃木県内の手入れができず荒れてしまった里山や里山の整備を進めている団体です。その整備した里山を活用して、5 年前から「こどもの里山プロジェクト」を始めました。子どもたちが里山で安全に楽しく遊べる里山を県内各地に増やすことを目指したプロジェクトです。子どもたちと里山で走り回ったり、虫を捕まえたり、探検をしたり、といったプログラムも定期的に行っています。このプログラムの中に困窮世帯の子どもたちを支援するという柱も取り入れ、ご寄付などをいただきながら、里山で遊ぶプログラムに参加したいと思ったら誰でも参加できる仕組を整えています。 今年度は、コロナウイルスの感染により、子どもたちが置かれている状況がよりしんどいものになりました。里山で子どもたちに向けてできることはないか、ということで、キッズハウスいろどりさんと一緒に、休校期間中、外に出れなくてストレスが溜まってしまう子どもたちや家族に対して、森で子どもたちを一日お預かりする「森でリフレッシュプログラム」というとものを行いました。実際やってみると参加希望も多く、親御さんからも、「休校中、私は仕事で外に出なければならないので、この子を預かってもらえたら、と思っていました。」 「本当にこどものストレスが溜まっていて、すこしリフレッシュさせてあげないと、と思っていたのでありがたかった。」といった声もいただきました。 全ての子どもたちに里山での自然体験の機会を届けたい 里山にやってきた子どもたちは、自由に楽しく過ごしています。小さいうちから自然に触れるそうしたことを通じて、子どもたちの健やかな成長を支えていきたい、というのが子どもの里山プロジェクトの願いです。 プロジェクトを始めてから県内でも「こども食堂」が始まるなど、こどもの貧困に対する様々な取り組みが行われるようになり、私たちもこども食堂や困窮世帯の子どもたちとの接点ができ始めました。これまで子どもたちのプログラムは参加費をいただいて提供することも多かったのですが、経済的に参加費を支払うことが難しく、参加ができない子どもたちがいるということもわかってきました。 どんな子どもたちであっても、参加してみたいと思ったら参加できる環境を整えることも大事だと思うようになりました。そして、ご寄付をいただきながらプログラムを実施する現在の形になっていきました。   これから 小さいときに里山で遊んだり過ごしたりすることは、子どもたちの成長にとってすごく大切なことだと思います。その子なりの感受性 や、好奇心を育み、今後の人生を支えていく土台を築いていく時間にもなります。もちろん身体的にも体をいっぱい使って遊ぶという ことも健やかな成長にとって大切なことです。焚火をしたり、モノを作ったり切ったりすることで身につていくライフスキルも、いろ いろ得ていってほしいと思います。禁止事項ばっかりの公園ではできないことも、ここではできる。そんな子どものチャレンジ精神や 好奇心を満たすことができる自由さも担保していきたいです。そのためにもこどもの里山プロジェクトは、今後も続けていきたいと考 えています。 また、子供の貧困の調査が進む中で、子どもたちの中では、経済的な格差だけでなく、体験の格差というものも生まれてきているということが見えてきました。体験の格差というのは、例えば一般的な生育過程で経験する、家族での余暇活動だとか、キャンプだとか、 そういったことを実施できない家庭で育つ子どもたちの中に、やったことがあるないという体験の格差が生まれるというものです。遊 ぶこと、自然体験をすることは贅沢なことではありません。必要なことです。 こういった体験の格差を埋めるということに対しては、子どもの貧困に直接関わる団体だけでなく、他の様々な分野の団体ができることも、いっぱいあると思います。お家の中だけで、子供たちを育て上げるのではなく、お家と地域で、みんなで、子どもたちを育てていくということができていけば、どんな家庭環境であっても、いろんな大人に囲まれながら必要な体験をし、育っていくことができると思います。その意味でも子ども支援団体に、他の分野の団体が積極的に関わっていく、ということもこれからとても大事なことだと思います。 一方で里山にとっても子どもたちが来るということは大きな意味があります。里山を整備する人が減ったり、里山自体も利用価値を失ってきたりしたことで、荒廃する里山が増えてきました。こどもたちが里山にきて、遊んでくれることは、里山に新たな役割を与え、健里山を整備し続けようという動機も生みます。だから、里山にとっても、こどもたちが里山に来てくれるということは、とてもプラスなことです。お互い様の関係です。 私たちは、里山や森林など、みどりの領域で、子どもたちのためにできることを続けていきたいと考えています。全ての子どもたちに里山での自然体験の機会を届けたい里山にやってきた子どもたちは、自由に楽しく過ごしています。小さいうちから自然に触れるそうしたことを通じて、子どもたちの健やかな成長を支えていきたい、というのが子どもの里山プロジェクトの願いです。 団体概要はこちら 県東地域コーディネーター 萩原さん 子どもたちにできることは、いろいろあるなと思いました。里山という切り口だけでも子どもたちと関わり、一緒に遊んだり過ごしたりできる関係を築いていけるということは、様々な可能性を感じ、すごく魅力的だと思いました。