つきみ食堂
家守美由紀さん 家守千裕さん 本田かな子さん
ひとりごはんよりみんなでワイワイ
毎週金曜日の16時〜20時、介護施設を会場に地域食堂「つきみ食堂」を運営しています。
駄菓子屋に夜ご飯を買いに来た女の子
私たちは、特別養護老人ホーム「つきみの里」を運営しており、その中で子どもたち向けに駄菓子屋を開いていました。
ある時、駄菓子屋に買い物に来た小学生の女の子が、カップラーメンを手に取り「これが、今日の晩御飯なんだ」と言っていたのを聞き、そのような子たちが、栄養バランスの取れた食事を安心して食べに来られるような地域食堂を作りたい!という想いに駆られ、活動を始めました。
私たちの法人の理事長がご家族とさくら市に移住した際に、地域の方々がとても暖かく受け入れてくれ、また施設を始める際にさくら市にもとてもお世話になったこともあり、受けた恩を地域に還元したいという思いもありました。はじめは施設職員を中心に運営していましたが、徐々に民生委員さんや市役所職員さん、地域の方などがボランティアとして協力してくださるように なりました。当初は50人程が足を運んでくれていましたが、地域の回覧板や小学校に案内のチラシを入れた他、地域の方々の口コミのおかげで、少しずつ参加者が増え、多い日には、120人の方がいらっしゃったこともありました。元々毎年、「まもるまつり」という施設主催の地域イベントを開催しており、運営に必要な備品を小学校から借りたり、地域の方が参加する時間を設けていたりと、地域の方々との関係性があったことで地域食堂も皆さんに受け入れていただけたのだと思います。
地域との繋がりを絶やすことなく
コロナ禍ということもあり、食堂は休止せざるを得なくなりました。昨年12月からは、月1回お弁当配布という形でつきみ食堂を再開しました。お弁当を渡す際に地域の方や子ども達とコミュニケーションをとり、交流を続けていきたいと思っています。
福祉施設を身近な存在に
以前から福祉施設や老人ホームと地域との間に距離を感じており、それらは施設の取り組みや関わる人が見えにくいことに起因すると感じていました。そうした分断を解消するため、日頃からイベントや事業を通して地域と繋がりを作り、地域の方が一緒に住んでいる高齢者やご家族のことを気軽に相談できるような、誰でも入りやすく、触れ合える施設を目指しています。
インタビュー角田隼也
施設と地域が協力してより良い地域を作っていこうという姿勢がとても暖かく感じました。施設が孤立しがちな現状がまだまだ見られますが。こういった活動 のように、地域からの施設に対する理解や安心を得て、施設が地域へ貢献していく。 そんな景色が広まっていくとより良い社会に繋がっていくと思います。