困窮の現状

子どもたちにも、若者たちにも、大人たちの中にも、
地域の中で困窮している人たちがいます。
その困窮の姿は多様で複合的であり、困窮が生まれる要因も様々です

とちぎに暮らすみんなが幸せに、豊かになれるように。
困ったときはお互い様、支えあいのネットワークをつくりましょう。
たくさんの人たちの力があつまれば、多様で複合的な困窮も克服していけるはずです。

課題はそれぞれつながっていますが、課題を整理するためにも、子ども世代、若者世代、大人世代の主な困窮の現状をまとめます。

 

|子ども|

広がる子どもの貧困
日本には貧困状態にある子どもが7人に1人、ひとり親家庭においては2人に1人
子どもの貧困が大きな社会問題になっています。現代の貧困は目に見えづらいという特徴がありますが、子どもたちに様々な影響を及ぼしています。貧困は経済的な貧困にとどまらず、周囲の人とのつながりが切れてしまう関係性の貧困を同時に引きおこします。この関係性の困窮こそが孤立を生み、子どもたちを多くの困難に巻きこんでいます。

見えずらい、子どもの貧困・相対的貧困状態
子どもの貧困を示す指標として、相対的貧困という言葉が使われます。
相対的貧困の定義は、その国の等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯のことを指します。子どもの貧困は、相対的貧困にある18歳未満の子どもの存在及び生活状況のことを指しています。
例えば・・・親子2人で月14万円未満で生活している、塾に通わせることができない、食事を我慢する日がある、困ったときに頼れる人がいないといった状態です。

子どもの貧困が与える様々な影響
子どもの貧困の問題は、今経済的に苦しいということにとどまらず、様々な問題とつながっています。

虐待の数
子どもが虐待でなくなる数は年間99人、そのうち生活保護、低所得世帯の子どもは65%。

栃木県においても同様の水準で子どもの貧困問題があります
宇都宮市 / 子どもの貧困率11.9%・ひとり親家庭の貧困率(2016)43.0%
第二次「宮っこ 子育ち・子育て応援プラン」
「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会

さらに子育て家庭に関する実態調査を実施
⇒生活習慣や経験の有無を貧困と関連付け、数値化

貧困の状況は次世代に連鎖
一世代だけでなく、負の連鎖が起こりやすいことも大きな問題となっています。
経済的困窮に加えて、つながりや学び、体験などの機会も喪失しやすい傾向にあります。
地域の中に、つながりや様々な学びの機会を準備することも大切です。

 

 

|若者世代

若年無業者数の高止まり
15-39歳の若年無業者の数  71万人(平成30年)
依然として高水準がつづいています。働きたいけれど働くことが困難な若者たちが多数存在します。15-39歳人口に占める若年無業者の割合は、2.1%です。
栃木県においても約1万3千人と推計されています。これは本人のみならず、将来の社会全体にとっても重大な問題であり、若年無業者に対する効果的な就労支援が必要です


ニート状態にある若者のこれまでの生活経験
ニート状態にある若者は、これまでの生活経験の中で、雇用問題のみならず、対人関係や精神的な問題を抱える層が少なくありません。

ひきこもりの数と長期化・高齢化
全国で61.3、万人と推計されています。
7年以上ひきこもりが続く人が、半数を超えます。
「ひきこもり」は若者特有の問題ではないですが、青年期にひきこもることの影響は大きく、また、現在ではひきこもりの長期化が大きな課題となっていて、早期に支えることの重要性が一層高まっています。


社会に密接した問題
これらは、その本人やご家族だけが苦しい思いをする、という個人的な問題ではなく、私たちの社会に密接した問題です。
例えば、未婚の人が増え、少子化がさらに加速します。納税額の減少や、生活保護受給者の増加による、国の予算の圧迫などが起こりえます。
ひきこもっていても、状況を変えたいとずっと思い続けている人たちも多いです。
制度も大切ですが、一人ひとりに寄り添った民間ならではのサポートが求められています。

 

|大人世代

生活保護世帯数
生活保護世帯数も増加が続いています。この25年間で、約2.5倍に増加しています。

自殺者の数
ピークは脱したといわれますが、依然として年間2万人を越えます。

自殺の危機経路も、複合的要因の関連が指摘されています。
自殺者305人の「危機経路(自殺に至るプロセス)」を調査したところ、背景には68の要因が確認されました。自殺は、平均すると4つの要因が複合的に連鎖して起きています。

8050問題

はじめてひきこもり状態になった時の年齢調査(内閣府)
ひきこもりは、これまでは若年層の問題と見られてきましたが、内閣府が2018年に40〜64歳を対象に行った調査によると「初めてひきこもりの状態になった年齢」で40歳以上が50%を超えるなど、近年では中高年層も対象となることが顕在化しました。

孤立の深刻化
日本人の60歳以上単身者は友人や近所の人に頼れない
病気などの場合に同居家族以外に頼れる人についての国際比較

問題の多様化と孤立
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、孤立がさらに加速しています。
大人になればなるほど、抱える問題も多様になり、責任感が強い人ほど自分を責めることもあります。

地域の中に、誰もがほっとできる居場所を作ったり、誰もが活躍をできる出番つくったり、困ったときに頼れる人がいたり、そうした小さな取り組みがたくさんの地域にうまれることが解決への具体的な道であり、民間の力が問われるところでもあります。