フードバンク しもつけ

フードバンクしもつけ 代表 小堀裕子さん、スタッフ 小倉泉さん、杉山礼子さん

食品の寄付を募り提供する「フードバンクしもつけ」

「フードバンクしもつけ」は、まだ食べられる食品を事業者や個人から寄付していただき、下野市の福祉施設や団体、食べ物に困っている方などに無償で提供する任意団体です。「フードバンクしもつけ」は下野市社会福祉協議会のボランティア団体として登録して活動しています。

寄付食品は広く募っていてどなたでも寄付することができ、自治医大前キリスト教会1階ラウンジで受け取っています。これまで多くの方が寄付食品を持ってきてくれました。NTT東日本(小山市)や宇都宮ヨークベニマルなどの事業者が大規模提供をしてくれたこともあります。

寄付食品は常温で保存ができ、1か月以上賞味期限が残っているものを受け付けています。また、開封されていないか一つ一つ確認します。履歴管理の観点から食品がどこから寄付され、どこに提供しているかわかるように記録を残しています。

いただいた食品は基本的に団体に提供しています。これまでに社会福祉協議会や子供たちの支援を行っている「こども食堂」や「こども塾」、福祉施設、グループホームなどに提供してきました。団体によって希望する食品は異なり、事前に団体と話し合って提供する食品を決めています。

例えば、社会福祉協議会では、調理の必要がないレトルト食品・カップ麺・缶詰など、若者が多い施設は、お米・調味料・お菓子などが喜ばれます。個人の方が食品を希望され、連絡していただくことがありますが、その場合は社会福祉協議会につないでいます。

今年度は基盤作りの年としてネットワークを広げながら活動してきました。「フードバンクチャリティーコンサート」を企画したり、地域イベントに参加したりして、活動をより知ってもらうため広報に力を入れる予定でしたが、コロナ禍で全て中止となってしまいました。大変な時期で予定通りに動けませんでしたが、幸いなことに新聞や地域情報誌などに取り上げていただき広く知ってもらえましたので、想定をはるかに超える食品の提供をいただきました。

また、県保健福祉課や「フードバンクうつのみや」とつながることでフードバンク運営のノウハウなど教えていただきました。さらに、フードバンクの活動を通して多くの方や団体とつながることが出来ました。ネットワークを通して活動が広がったことが本当にありがたいと思っています。

 

「もったいない」を「ありがとう」に

代表の小堀さんは、2014 年に兄夫婦が那須烏山市で「フードバンク那須烏山」の活動を始めたことでフードバンクを知りました。小堀さんは、フードバンクの必要性について話を聞いて、「小さい力だけれど自分もできないだろうか」と思うようになりました。

下野市にフードバンクがなかったこともあり、「地域に暮らす市民として社会貢献活動をしたい」と下野市でのフードバンク設立の想いが膨らんでいきました。小堀さんは自治医大前キリスト教会の一員でもあります。互いに助け合うというキリスト教精神がありますが、教会でもこの地域で何か社会貢献活動ができないかという模索がありました。

日本では、「まだ食べられる食べ物が捨てられてしまう」というフードロスという現状があります。フードロスをできるだけなくして食品として活用できるよう取り組んでいくこともフードバンクの大きな使命です。まさに「もったいない」を「ありがとう」に変えていくことです。

教会でも、この「もったいない」を「ありがとう」に変えていくフードバンクの活動をバックアップするということで、教会員の中からスタッフを募集し、数名のスタッフで始めることができました。スタッフではない教会員の方も様々な支援をしてくれています。

2020 年 4 月 1 日に正式に立ち上げる予定でしたが、コロナ禍の中で見合わせていました。しかし、「今だからこそやるべきことだ」とスタッフで話し合い、6 月 1 日に「フードバンクしもつけ」を設立し、現在に至ります。

 

いま、広げよう心の輪

おかげさまで食品寄付もだんだん増えてきて、「食品をいただく~提供するシステム」ができ上がってきています。食品寄付の季節的な波があることも分かってきました。季節に関わらず様々な寄付食品を集め、いつでも安定して供給ができるようにする仕組みを作っていきたいと思っています。本当に困窮している人にいかにして届けるか、これはいつまでも続く課題だと思います。

立ち上げて本当によかったと思います。活動しているスタッフが、皆様から元気をいただけたことも嬉しいことです。これからも「心の輪」が広がっていきますように。地域の方々にさらにフードバンクの活動を理解していただき、沢山の食品をいただいて沢山のところに届けていきたいと願っています。

団体概要はこちら

 

県南地域コーディネーター 宮岸さん
小堀さんとその周りのメンバー全員の見ている方向が一致していてとても良いチームだと思いました。想いが仲間やネットワークに繋がり食品を通して伝わっていく流れに「フードバンクしもつけ」の熱さと未来への希望を感じました。