NPO法人野うさぎくらぶ


NPO法人 野うさぎくらぶ  理事長 矢口和美さん、事務員 小川さん

地域の子は地域みんなで育てていこう

NPO 法人野うさぎくらぶは、平成 16 年から始まりました。その当時の考えは、「自分のこどもだけを自分がみるのではなく、他の子どもたちも、みんなで一緒にみていこう」というものでした。それがだんだんと地域に広がっていき、今では「地域の子は地域のみんなで育てていこう」という大きな広がりとなりました。地域の方々にも理解して、応援していただいており、こちらの事務所も大家さんのご厚意でかなり安価で貸していただいております。

主に大きい活動としては、学童保育の運営を行っています。那須烏山市全域の小学校が5カ所あり、その中の9学童を運営させていただいています。こちらは委託事業として行っています。今現在、子どもの登録数は 300 人くらいになります。

コロナになる前は、学童クラブでは春休みや夏休みなどの期間に、地域の方々に学童に入ってきていただいて、得意なマジックを披露していただいたり、語りべさんに地域の昔話を話していただいたりなど、多様なボランティアさんとの交流が盛んでしたが、このような状況になってからは、外部の方に学童に入っていただくとういう活動が難しくなってきています。現在は、学童内だけで完結できて、なおかつ楽しみがあるような活動を探しているところです。

地域の子は地域みんなで育てていこう

2020 年 4 月より、NPO 法人野うさぎくらぶの新事業として、「心から~☆☆☆ひとり親のつながる心☆☆☆」をスタートさせました。ひとり親家庭の方々を応援したいという思いは以前からありましたが、デリケートな部分でしたので、考えていてもなかなか表現が難しいところがありました。

そんなとき、うちのスタッフの小川さんが「是非、そういう事業をやってみたい」と申し出てくれました。小川さん自身もひとり親ということもあり、ひとり親家庭の方々の困りごとや心情、内面的にデリケートなことのサポートもしてくれたことで、新事業としてスタートすることができました。

本当は活動について、大きく広く皆さんにお伝えしたいところですが、ひとり親家庭のご本人さまたちの中には、自分がひとり親であることを知られたくないという方もいらっしゃるので、そことの間で少し難しいところもあります。現在は「那須烏山市母子寡婦福祉会」という団体さんと一緒に、タイアップしてやっていこうということで、本格的に活動が動き出してきたころです。

活動としては、コロナ禍でストレスが溜まっている親御さんとメールでのやりとりをしようというところから始まりました。うまくいかないこともありましたが、アンケート調査を実施したり、それに回答したりなどのやりとりができるようになりました。じゃあ次は何しようか、といろいろと頭を悩ませ考えていくうちに、「おゆずり会」というイベントの実施につながりました。

次に、アンケート調査でも見えてきた、ひとり親の方の中には、生活していくことだけで精一杯で、子どもの学習面にまで手が届かない方も多くいるということです。そこで、最近では那須烏山市の小学校にも、タブレット学習が取り入れられることを受け、「心から~」でもタブレット教材等のネットを通じて学習できる学習支援ができないかと考え、先日タブレットを購入させていただいたところです。塾の先生のお知り合いがいまして、そういった方のアドバイスなどいただきながら進めています。ゆくゆくは、「心から~」だけではなくて、学童の方でも応用できたらなと考えています。

これから

小川さん
まだ「心から~」の事業を始めて間もないですが、何度かひとり親の方との接点づくりに挑んだ中で、なかなか密に関係を保ことができないという難しさがあることを感じました。ただやっぱり、自分自信もひとり親で、自分もひとり親家庭で育ってきて、周りにはわからないこともたくさん自分は経験してきていると思うので、そこを生かしてもう少しひとり親の方が前向きに考えられるようなステップを踏めればいいなと思っています。

矢口さん
コロナが日常の中に浸透して、自由に行来ができるようになれば、おゆずり会や食事会などのイベント会場にきてくださった方々が、なるべく長く滞在できるようにしたいです。そしてそこで、まずはお一人でもいいので交流できるように図ること、それが目標ですね。結構ひとり親の方は、ひとり親のお友達がいたりするので、またそこから繋がりが広がるのではないかと考えています。だからまずは一人と繋がること、これがこれからの目標です。

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県東地域コーディネーター 萩原さん
ひとり親家庭の方々の抱えることはきっと様々あるのだと思いますが、家庭以外に安心できる居場所があることは、とても大事なことだと思いました。ひとり親家庭の方々に限らず、子育て中の親御さんも子どもたちも「地域のみんなで」支え合うことができたら、とっても素敵だと思いました。