とちぎYMCA「つぼみ食堂」

学生主体の子ども食堂に向けて

「つぼみ食堂」は、R4年の3月に始まる予定の子ども食堂です。現在進行形で細かいところを決めているところです。曜日は未定ですが、月に一回か二回程度から始めたいと思っています。

食べ物がなくて困っている人はもちろんですが、子どもたちの中には、学校と家の行き帰りだけで息が詰まってしまう子どももいると思います。学校が合わない子も、家庭などに居場所がない子も、気軽に来られる場所にしていきたいです。お兄さんお姉さんに悩みを相談したり、関係性の中で心の居場所が作れると嬉し いです。

「貧困」はお金の面だけではないので、どんな子でもこられるような、来やすい雰囲気の場所を作っていきたいです。 さらに、子どもだけではなくいろいろな世代が集まる場所にもしていきたいです。 居場所を求めているのは子どもだけではないので、子どもを中心にいろいろな世代にとっての居場所を目指しています。

今は、毎週火曜日に2時間程度、話し合いをしています。「つぼみ」というグルー プは、YMCAが母体となった高校生のグループです。県南、県北など、いろいろな 地域から集まっています。アドバイザーとして 職員もいますが、高校生の主体性を大切にしています。「みんなやる気があり、互いに刺激しあえるチームです。

子どもにとってのもう一つの居場所を作りたい

つぼみの活動を考えていく中で、子どもの貧困について考える機会が多かったです。 自分たちは当たり前のように学校に行ってご飯食べているけど、それができない子どもがいる。居場所がない子どもがいる。そんな子たちに対して、ちゃんと栄養を取りなが ら、自分の居場所だと思える場所を作りたいと思いました。年間の活動計画を立てる ときに、子ども食堂の話が出て、メンバーの中でやりたいという声が多数あり、やることが決定しました。最初は夏頃にやる予定でしたが、コロナの影響で一度は厳しいかという話になり、あきらめかけた時もありました。しかし、それでもメンバーの中で やりたい気持ちが強く、話し合いを重ねていった結果、改めて開設して実施していく方向で話が進みました。 それから、YMCAの中で大人の方からも様々な話を聞いて学び、貧困のいろいろな 側面についても知っていきました。学生の団体なので、資金の問題や運営方法の問題 など、考えるべきことはたくさんあります。それでも、大人の方々に相談をして試行錯誤しながらやっていきたいと想っています。

「つぼみ食堂」オープン! 

2022年の3月に子ども食堂をオープンする予定です。私たちの学生団体名「つぼみ 」にちなんで、「つぼみ食堂」というネーミングです。それまでの準備として、食品を提供してくれる場所を増やしていく必要があります。場所は「トライ東」で決まりました。また、アレルギーのある子どももいるので、そういった子たちへの対応も考えていきたいです。 また、みんなでポスターを作成したり、SNSを活用したりして周知していきたいと 思っています。 運営資金に関してもみんなで話し合っているところで、これから詰めていかなくて はなりません。とりあえずは、YMCAの関連団体からの補助を頂いて運営する予定で す。

いろいろな立場の人に届く活動をしたい

「子ども食堂」と一口に行っても、たくさんのあり方があると思います。私たちは、 まだまだ若い団体ですが、いろいろな立場の人に、1人でも多く届けたいです。その ためにも、学生団体らしい発信の仕方で活動をみんなに伝えていきたいと思っていま す。 私たち自身も感じていますが、子どもにとっては、家庭と学校以外の第3の居場所が 必要だと思います。子どもが相談したいと思っても大人に急に相談するのはハードルが 高く、気軽には相談できません。つぼみ食堂では、子どもが悩んだ時に気軽にお兄ちゃんお姉ちゃんの年齢の自分たちに相談できる空気を作っていきたいです。そして、 家庭内の課題を早期発見できるような体制が理想です。YMCA内には様々な組織があるので、課題があったときにはそういった組織と連携して対応していきたいです。

とちぎYMCA 高校生ボランティアグループ「つぼみ」担当スタッフ 阿久津知志さん(※令和3年度現在)

団体の概要はこちら

※スタートし、2023年3月まで毎月1回開催予定。

 

 

 

取材:濱野将行
高校生主体の活動というところに、とても驚きました。インタビューの時 も、高校生一人ひとりの主体性を実感しました。子どもにとっては、 斜めの関係にしか出せない自分がいるはずなので、つぼみ食堂は全国的にも非常に貴 重な存在だと思います。