フードバンク 足利

フードバンク足利 事務局 吉田永理子さん

食料配布の先につながる支援を目指して

フードバンク足利は、その名の通りフードバンクを身近に利用していただきたい、という想いから設立しました。
家庭や企業などから食料品をいただき、市内を中心に必要な方に無償で提供しています。活動場所には、皆さんから寄付いただいた食料品や日用品が常にストックされています。必要な方に必要なだけお分けすることができるよう、ボランティアスタッフが対応しています。

「お米が足りなくって・・・」と月に 1,2 回ご連絡を頂く方がいます。もちろんすぐに、持っていきます。私たちにご連絡いただくまでにもきっと躊躇されたに違いませんが、ご連絡いただいたことでつながることが出来ました。食料品の受け渡しだけでなく、この活動を通してその人個人と繋がり、お困りのことやおうちのことなどのお話しをお聞きしています。食料品などのお渡しを介して、少しでも困りごとを共有できる私たちを目指しています。

 

困っている人がいるならなんとかしなきゃ!がスタート地点

こども食堂を別にオープンしていたことがきっかけです。食堂に通う子どもたちの家庭状況を知り、家庭ごとの支援が必要だと感じるようになりました。フードバンクを立ち上げねば!という熱い想いがメンバーに生まれ、勢いで気楽に立ち上げてしまいました(笑)実際にはじめてみると、こんなに大変とは!!と思うこともありますが、支援依頼のご連絡を頂くにつけ、ニーズがあることを肌で感じています。

また、この活動を通じて、「他の人のために何かしたい。」と思ってくださっている方もたくさんいることが分かりました。きっかけがあれば支援したい!と思ってくださっている人とのつなぎ役として、これからも活動していきたいと思っています。

 

地域で支えあう、お互い様とありがとうの気持ちを大切にしたい

私たちはあくまで支援をしてくれる方と、困っている人の間に入り、代わって気持ちを伝えあう、そんな役割だと思っています。昔の日本のご近所関係は、お互いの困りごとをも含め補い合う、そんな感じでしたよね?雑談から始まっておかずのやりとり、ちょっとした困りごとを近所の誰かが解決してくれたり・・・。

各家庭の生活ではなく、地域で生活していくという、<お互いさま>の気持ち。

今もそんな気持ちをそれぞれ持っていることは変わらないと思うのです。ただ、その気持ちの表現の仕方が分からない方がたくさんいます。だから、そんな応援者を集めて繋いでいく…。そんな気持ちを大事にして活動していきたいと思っています。

また、この活動をはじめて、必要なところに情報が届いてほしい!と強く思っています。今後の課題は、必要な方に、どう情報を届けるか?というところです。

そのためには、一人でも多くの方に関わっていただくことが大切だと思っています。

 

ちょうど 1 本の電話が・・・

インタビュー中に電話が鳴りました。食べるものがあまりないという事でお電話されてきたようでした。
何度も「大丈夫よ!大丈夫よ!」と伝えながら、おうちの人の様子まで気遣う言葉が次々と出てきていました。
「無理しないでね。」「だいじょうぶよ」「私たちは寄付で集まっているものを届けているだけよ」「時間があるのでもっていっているだけなのよ…」相手に気を遣わせない言葉のやりとりが、何度も何度も続いていました。寄付してくれた方がどんな気持ちで持ってきてくれたのか?

そんなことまで会話の中にありました。どこまでも相手を気遣う気持ちのやりとり・・・。食品を渡すことを通じてそんな励ましの言葉を、いつもお伝えされているんだなぁと思いました。電話口の方の心も軽くする、そんなぬくもりのある場面に遭遇できました。

団体概要はこちら

安足地域コーディネーター 熊倉さん
団体設立からわずか半年とは思えないくらいの、活動の展開の速さにびっくりしました。なんとかしなきゃ!という想いで立ち上げたこと、やっていて楽しい!という言葉に、ボランティアをする一人としてハッとさせられました。
お話を聞いていると、うらやましいほど多くの協力者の姿がありました。活動場所の改築工事は大工のお友達が、お米の寄付は農家さんが・・・。といった感じで、いろんな方が関わり運営されているようです。「熱意といきおいで 3 人で始めたフードバンク足利」とおっしゃっていましたが、すでに素敵な輪がつながっていました。