子どものとなり 佐野

子どものとなり 佐野 理事長 早川茂さん

子どもたちの未来のために私たちができること・・・

子どもたちを取り巻く環境の中で、特に貧困や虐待などによって、安心して生活ができないという子を一人でも少なくできればと思って活動しています。活動としては、

①食事の支援である子ども食堂
②子どもの居場所づくり
③学習支援
④子育て支援
の4つを柱としています。
活動場は、犬伏新町にある一軒家をお借りし、それぞれ週 1 回実施しています。

①子ども食堂は、子どもはもちろん、親子での参加も大歓迎です。
②では、遊び、食事、入浴をしています。おばあちゃんちに居るように、ゆったり過ごしてもらうことを目指しています。
③の学習支援では、ボランティアと子どもがともに畳に座り、1 対 1 で勉強をしています。
④まずはおうちの方の悩みをお聞きすることから。解決に近づけるように一緒に考え・行動することから始めています。

2020 年度は、食材配布会を長期休み前に実施しました。市内の子育て家庭に広く配布するもので、延べ約 90 世帯の家にお配りできました。配布物はすべて、地域の皆さんからの寄付品によるものです。必要な方には個別にご相談いただき、適宜食材をお分けしています。

 

子どもたちのこころ安らぐ場としてありたい

子どもの貧困問題・児童虐待問題が日々報道されるようになり、幼い子供が虐待によって亡くなるという痛ましい事件が後を絶たず、決して他人ごとではないと感じるようになりました。

見えにくい子どもの貧困は、なかなか表立って出てくることはありません。子どもたちが安全安心に過ごせる環境の一つとしてありたいと願いこの団体を 2 年前に立ち上げましたが、日を追うごとにそのニーズが確かにあることを感じています。

はじめは他人行儀でおりこうさんにしていた子どもが、通うにつれて少しずつわがままを言うようになって、子どもらしくなってきました。お菓子のありかを知ってねだってみたり、つまみ食いをしてみたり、ボランティアさんとまるで孫とおばあちゃんのようなあたたかでほがらかなやりとりをしている子どもたちをみていると、ほっとします。そんな日常のあたりまえの時間を取り戻し、安心して過ごしてもらうことを願って活動しています。

 

地域とともに・・・地域で一緒に活動を作っていく

専従職員を置いておらず、それぞれの本業と並行して活動しています。そのため、もっともっとこの活動を充実させたい!
と思いながらも、まだまだ。やりたいこと・やるべきことがたくさんやまもりです。とはいえ、歩みを止めずに少しずつ、今できることをやっていける団体を目指しています。支援する側される側ではなく、共に支えあえる私たちであることを、実践の中から発信していければと思っています。

設立当初から関わってくださっているボランティアさんのほかに、最近は高校生、大学生の参加も多くなってきました。社会課題に問題意識を持つ学生の視点は大変貴重であり、地域における財産だと思っています。地域ぐるみで社会問題を解決する、「誰一人取り残さない」社会を、まずは身近な私たちの手で実践していきたいです。そのためにも、もっと多くの方に団体を知っていただくとともに、協力・参画いただける方を増やしていきたいです。

子どももボランティアも共に成長できる場に!

子どもたちが最優先でありながらも、ここに集うすべての人の居場所であることも目指しています。ここに集う子どもたちと関わることによって、ボランティア側もあらたな出会いと気づきを得てくれています。子どもと親の年齢差のボランティア同士が、楽しそうに料理を作っています。そこに、子どもたちも加わり、笑いの中で和やかな時間が流れます。

子どもたちは、お兄さん、お姉さん、おばあちゃんと暮らすように、この < 子どものとなり佐野 > という家で、育っていきます。
年上には年上なりのできること、子どもには子どもなりにできること、その自分なりにできることをここでやっていくということは、誰にとっても大切なことです。一緒に居ることで生まれる温もりのある時間と空間、安らぎをここで感じてもらい、次の人にそのぬくもりを伝えていく…そんな良い連鎖がここから生まれてほしいと願っています。

 

団体概要はこちら

安足地域コーディネーター 熊倉さん
自分の団体ですが、こうしてあらためてみると、設立 2 年目が経ち、少しずつボランティアの輪も広がり、活動の方向性も見えてきたところです。このような活動の団体は、継続することが大変難しく、そのための資金・人の力をいかに集めていくかがポイントだとアドバイスいただいたことを、肌で感じるこの頃。
日々課題は山積みですが、そこに集うボランティアさんとともに、一つずつみんなで乗り越えはじめています。一人ではできないことも、皆さんの力で実施できてしまうこともしばしば。人の力ってすごいなと、改めて感じています。この人の輪を大事にしながら、今後も活動していきたいです。