子ども食堂 晴れるや

子ども食堂 晴れるや 代表 荒川まさこさん

子ども食堂 晴れるや

私たちは英会話教室を運営しており、日々色んな子どもたちと接しています。しかし、様々な事情でここに通えない子どもたちもいます。「子ども食堂」の運営は、教会が行なっています。キリスト教の教えの中で「神様の愛を伝える」「小さきものにしたことは、私にしたことだよ」というイエス様の言葉が自分の中でずっと心に残っており、彼らのために何か出来ることはないかなと考え、2019年12月に子ども食堂を始めました。

また私自身もシングルマザーとして子育てを経験し、多くの方に助けていただきました。「与えられたものを次は与える」、「受けるより与えるが幸い」という聖書の言葉や私自身の経験と重なり、これが自分の使命かなと思い活動しています。

 

教会のメンバーや英会話教室に通う保護者のボランティアさんと一緒に活動を始め、最初はチラシを作り、ポスティングすることからスタートしました。食事はテーブルをたくさん並べた「ビュッフェスタイル」で運営していました。

徐々に関わってくれる人が増え、大学生が子どもと一緒に遊んだり、勉強をみたりと居場所としての活動が始まった矢先、新型コロナの影響で活動をお休みすることになってしまいました。緊急事態宣言があけ、もう一度、仕切り直してお弁当をテイクアウトする形で再開すると利用者の方が倍増しました。

 

「誰かと一緒にご飯を食べよう」「誰かと交流しよう」と子ども食堂を利用してくださっていた方々は、食堂に来るエネルギーをお持ちになった利用者さんだったのだと、テイクアウトを始めてから気がつきました。みんなとの食事はハードルが高いが、「誰かとゆるく繋がっていたい」、「ここに来れば何かがあるかも」と期待してテイクアウトを利用される方々と出会う中で、少しずつ必要とされている方に届くようになってきたかなと実感しています。

また、他県や他の市町村から鹿沼市に引っ越ししてきたママさんが、様々な情報を得られる場所にもなってきています。

現在、様々な課題を抱えたご家庭やワンオペで子育てに奮闘しているご家庭など約30家庭が登録されており、月2回、各回100食ほど用意しています。午前中は4〜5名で仕込みをし、午後はお弁当箱に詰めるというように役割分担をしながら運営しています。

ボランティアのみなさんは介護や子どもの世話など忙しい中、手伝いに来てくださっています。無理なく続けることができる形を模索し、最近ではようやく慣れて効率よく運営できるようになってきましたが、人手不足では課題です。就労を目指す20代〜30代の方もボランティアしてくれていますが、まだ人手が足りていません。子どもだけでお留守番しているご家庭になんとか届けたい、一人でお留守番している子を安心して預けることができる場所にしていきたいと思っています。

 

様々な想いはありますが、もうしばらくテイクアウトの形を続けたいと考えています。ダブルワークの合間にお弁当を取りに寄られ、次のお仕事に行かれるお母さんや精神的に不安定な状態で子育てをされている方も利用されているので、出来る限り繋がっていたいと考えています。

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ボランティアさんが忙しい時は、私が頑張ればいい!と明るい笑顔で話される一方、この支援が適切なのかと思う時があると話されるのがとても印象的でした。この明るさと真摯な姿勢が利用者の人にも伝わり「安心できる場所」になっているのだろうなと感じるお話でした。
ネットワーク事務局 吉井